マムシ流 つれづれ草 第36回

【言葉のキャッチボールで、脳を活性化し、平和で元気に生きよう!】

 老若男女諸君! 天候の不順で、へこたれてないか? 
 九州から東海以西は梅雨に入ったようだな。いよいよ、ジメジメムシムシで、食中毒にも気をつけなきゃいけない時期になってきた。
 でもね、梅雨は大切だよな。梅雨がなくなったら自然の恵みを得られないんだからな。梅雨に限らず、モノは考えようだぞ。何でも、嫌だと思うんじゃなくて、そこから導き出せる良い面を考えて、日常を過ごすことが大切なんじゃないかな。
 まくらから、オレの知性と教養が溢れ出て、また、良いことを言っちまったな、ハハハ。

 5月後半も忙しかった。オレの新刊『70歳からの人生相談』(文春新書)が発売になって、ありがたいことにいろんなメディアの皆さんが取材に来てくれたのは、いつも話しているとおりだ。訪れる記者の皆さんは、40〜60代のベテランの人たちが多いんだけど、特に50代後半から60代だと、皆、リアルな“ウルトラマン、ウルトラセブン世代"で、オレに会うのが嬉しいらしいんだよ。
「“お前は、将来、アラシ隊員にインタビューしてるぞ"って子どもの頃の自分に言ってやりたいですよ」なんて言ってくれた記者の人もいたりしてな、ハハハ。
 そんなわけで、いろんなところで記事にとりあげていただくと思う。
 とりあえず、 5月28日の『毎日新聞』と『週刊現代』にオレの記事が出ているからチェックしてくれ! これから先もいろんなところに登場するぞ!
 
 インタビューを次から次へと受けているとつくづく思うんだけど、言葉のキャッチボールというのは本当に大切だってことだな。オレもしゃべっていると、次から次へと新たな発想が生まれてくる気がするんだよ。同じことをしゃべっていても、常に上書きされるというのか、自分の言いたいことが次々とヴァージョンアップするんだよ。
 自分の知識や発想を培うためには、本を読むことも大切だけど、人と話をするということの方が、脳も活性化されるし、自分の中に知識や発想が定着される気がするよ。
 ジジイババア諸君! ぜひ、日常で、周囲にいる今まで話したこともないようないろんな人々との会話を楽しんでみるというのをやってみてくれよ。
 若者だってしかりだ。先日、長野県中野市で起こった刺殺発砲事件。痛ましいよな。
 あれだって、日頃からもっとコミュニケーションをとったり、相互に気持ちを伝えあったりしているというのをやっていれば、あんな惨たらしい事件には至らなかったんじゃないかって、オレは思うんだよ。ああいう事件は、すべてが人間不信だろ。
 ウルトラセブンの『狙われた街』で、フルハシ隊員ことオレが、メトロン星人が仕込んだ赤い結晶体入りのタバコを吸って、周囲が敵に見えてしまうという話があったんだよ。 今のコミュニケーション不足は、あの赤い結晶体よりタチが悪いかもしれないと思うことがあるよ。今のウクライナとロシアの戦争をはじめとする地球上のいざこざだってそうじゃねえかな。「話せばわかる」が足りない世の中は止めにしてもらいたいと思うよ。

 そんなオレの相変わらずの言葉のキャッチボールは、5月最終土曜日の『ミュージックプレゼント』でも発揮したぜ。
 練馬区の小茂根の『円満』という小料理屋に出かけた。2019年2月にもお邪魔したんだ。そこを自分の家の食卓代わりに利用しているというジジイが、その時、また現れたよ。
 昭和の音楽界を語らせたら右に出る者がいない、長田暁二さんだ。御年93歳。滑舌もしっかりしているし、いろんなことを話してくれる元気なジジイだよ。こういう古い先輩と話ができると、オレも元気をもらう。
 コロンビアレコードのアルバイトから始まって、キングレコードに入社。最後はテイチクの顧問という人だからな。日本の戦後の音楽業界をずっと見てきたんだ。だから、いつ聞いても興味深いエピソードが満載だよ。リクエストでかけてくれという曲だって古いんだよ。高峰三枝子さんの『湖畔の宿』だぜ。名曲だよ。『円満』のおかみさんのリクエストだったんだけどね。この日は本当に楽しい時間が過ごせたよ。長田さん、まだまだお元気で活躍してくださいよ!

 さて、今日から配信になる、6月の『マムちゃんねる』は、オレが最も古くから付き合っていると言っても過言ではない友人の一人、トンチこと増山江威子さんが登場するぞ。
 オレたちが立ち上げた『劇団山王』で一緒に芝居を始めた頃、トンチは本当に可愛かったんだよ。その後、彼女は劇団四季へ移って女優として活躍した。
 さらに、その後は声の仕事でも、ルパン三世の二代目・峰不二子、天才バカボンのママをはじめ誰でも知っている有名な声を、とにかく数えあげたらキリがないくらい続けてきた人だぜ。
 学年は一つ下の同い年だけど、彼女は今も若々しくて元気だから嬉しい。そして、トンチが古い話をしはじめたら、なにしろ止まらないんだ。だけど、その話を聞いているオレは、懐かしくて、楽しくて、嬉しくて、いつでもいつまでも話していたいくらいなんだよ。そんな思いが詰まった、いろんなこぼれ話を二人でしているから楽しみにみてくれよ!
 そうそう、これも言っとくか。
 『第17回マムちゃん寄席』のチケットが完売したとよ。
 皆さん、本当にありがとうございました! 7月7日、楽しみにしていてくれ!


  

 


 

(構成・伊波達也)

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