マムシ流 つれづれ草 第38回
【いくつになっても、自分の居場所を作り、いきいきと生きよ!】
ジジイババア諸君! 変わりはないかい? 梅雨明けはまだだけど、暑い日は続くし、天候は不順だな。食中毒なんかにならないように、気をつけてくれよ!
6月の『サタディ・イン・ザ・パーク』(東北放送)では、先日6月12日に亡くなられた杉下茂さんの話をしたよ。享年97歳。“フォークボールの神様"であり、元中日ドラゴンズのエース。そして、長嶋ジャイアンツの投手コーチとして活躍した人だ。
オレはジャイアンツのコーチの頃によくいろんな話をして楽しかったな。身長182センチ、すらっとしていて、神田神保町の生まれの江戸っ子中の江戸っ子。だから立ち居振る舞いもオシャレでね。話も小気味よくて面白かったよ。
国鉄スワローズ時代の金田正一さんと投げ合うと、どっちも点が取れなくて、1点取った方が勝ちだった。お互いに「早く1点取れよ」なんて言い合ってたらしいよ、ハハハ。
97歳といえば、ある意味大往生とも言えるけど、そんな97歳でまだまだ現役でいるのが、西荻窪の須田時計メガネ店のオヤジ須田喜八郎さんだよ。何度もお邪魔してるんだけど、オレが、昔クイズ番組でもらって、持て余していた、180センチの背丈がある古い柱時計を須田さんのところに持ち込んだんだ。100年前の時計で故障してるから、無理かなと思ったらちゃんと修理してくれた。そしてその柱時計を、これまたオレがよく行く二子玉川の蕎麦割烹『九つ井(ここのついど)』が受け取ってくれたんだ。
97歳のオヤジに助けられた100年前の時計は見事に自分の居場所を見つけて、元気そうにしている姿を見て、嬉しかったね。
「ものはみな、新たしき良し ただしくも 人は古りいく よろしかるべし」という万葉集の歌があるけど、人はもちろん、物だって古いものの良さがあることを知るべしだ。
ジジイババア諸君も自分の居場所を見つけて、いきいきと過ごせよ。
6月最終土曜日の『ミュージックプレゼント』では、荒川・東尾久の三味線専門店『三味線かとう』にお邪魔したよ。ここにも以前伺ってるんだけど、三味の音っていうのはいいよな。新内の三味線は竿が太くて、長唄は細いなんて、三味線のうんちくをひとしきりしゃべったな。この日は、長唄のお師匠さん尾崎糸恵さんもいらしてて、つまびいてくれたんだよ。
朝から粋だぜ、艶っぽいよ。一杯やりたくなっちまった、ハハハ。この店は2階にライブハウスもあって、三味線のライブをやってるんだよ。いいだろ。こういう店も温故知新を尊んでいると言えるな。
古い人、古い物は、まだまだ出番があるってことだ。オレもまだまだ頑張るぞ!
さて、7月1日の『マムちゃんねる』は、ウルトラマン、ウルトラセブンを心から愛してくれ、オレのことも敬愛してくださっている俳優・佐野史郎さんの登場だ。史郎ちゃんは中学生の頃ウルトラマン、ウルトラセブンに出会って夢中になったということで、とにかく詳しいんだ。『サンデー毎日』でお互いに連載を持っていた頃は、よくウルトラシリーズやオレのことについて触れてくれたんだよね。松江出身の彼は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)についても造詣が深く、ずっとそれ関連の仕事もしているよ。俳優としては唐十郎さんの状況劇場に始まり、あの冬彦さん、そして今も幅広い役でいい芝居を見せる深みのある人だよ。まぁ、そんなわけで、いろいろと話が広がるから、ぜひ楽しんでくれ! と記してたら、史郎ちゃんが急性腎障害で緊急入院というニュースが入ってきたよ。くれぐれもお大事に! まだまだ若いんだ。元気な姿、待ってます!
先日は、『週刊文春』に終活をテーマにしたインタビューを受けた。それからウルトラセブン絡みでは『ポインターを作る』というポインターの模型をこしらえる雑誌とやらから取材を受けたんで、ポインターの思い出について語ったぞ。どちらもそのうち掲載になるから、楽しみにチェックしてくれ!
そして、7月7日、いよいよ『マムちゃん寄席』だよ。楽しみにしてくれている諸君! 当日はたっぷり楽しんでくれ。その模様については次回触れるからな。じゃあ、またな!
(構成・伊波達也)