マムシ流 つれづれ草 第39回

【個々人の才と並びの妙の相乗効果が、観衆の心を打つと心得よ】

 老若男女諸君! 暑さにくじけてないか? マスク生活からも徐々に解放されそうな感じになってきたが、まだ、油断はならねぇな。でも、マスクを外せるなら外したいな。マスク生活で口呼吸が日常になって、虫歯が増えているという話もあるくらいだ。これからは自分で自分の体に気をつけていく心得が必要だな。

 7月前半もいろいろと忙しかった。なんといっても、メーンイベントは、第17回『マムちゃん寄席』だ。コロナで3年ぶりだから、お客さんのテンションも高かったみたいだな。
 7月7日、永さんの命日と重なった日の開催だった。『マムちゃん寄席』の常連諸君は、永さんとも因縁浅からぬ人たちだから、この日も永さんのことをいろいろと取り上げてくれた。トップバッター・林家二楽の紙切りストーリーは、『見上げてごらん夜の星を』に合わせて、永さんにまつわる絵だった。文字通り“切れ味"がいいよ。
 切れ味がいいと言えば、2番手の松元ヒロも相変わらずの切れ味いいスタンドアップ・コメディーだった。
 3番手の立花家橘之助さんの艶っぽい三味の音も、永さんは喜んだろうな。永さん、三味線は挫折したけどな、ハハハ。
 4番手の柳家わさびの新作落語も評判良かったぞ! 
 中入り後の5番手ナイツの二人は相変わらずの小気味よくて痛烈に皮肉る話術は安定感だな。塙宣之は、日本漫才協会会長に就任したしな。
 玉袋筋太郎と外山惠理と席亭のオレの鼎談も面白かっただろ。永さんのエピソードをたっぷり話して、「ハメもはずし、マスクもはずし、あごもはずすほど笑いましょう」ってなもんだよ、ハハハ。オレが『上を向いて歩こう』歌ったら、途中から美声が聴こえてきた。なんとサプライズで演歌歌手で民謡歌手の松坂ゆうきの登場だった。ありがとうな。
 そしてトリは、春風亭一之輔だ。言わずと知れた、今や押しも押されもせぬ、名噺家だな。ますますがんばってくださいよ! 皆さん、本当にありがとうございました。
 それで思ったのは、今回の『マムちゃん寄席』も、個々人の技量がすごい人間が集まってくれたわけだけど、それとともに、“並びの妙"というのが相乗効果を醸し出してくれたということだ。もちろんお客さんもその相乗効果に参加してくれたとも言える。
 野球の打順になぞらえれば、あのWBCだって一流選手が集まった上に、適材適所に並んだことで、あの結果が残せたという気がするよ。

『マムちゃん寄席』の翌週には、文化放送へ出かけて、『大竹まこと ゴールデンラジオ!』に出たぞ。以前も出たんだけど、この日は、オレの著書『70歳からの人生相談』についての話もしてくれた。まこっちゃんも74歳だという。まさに彼らの世代に対してのメッセージを込めたタイトルだからね。70代といえば、昔はすっかり老人だったけど、今はみんな元気だ。もちろんしょぼくれちゃってる人もいるけど、若い人も多い。そして現役だ。
 ただ、オレたち80代と決定的に違うのは戦後に生まれているってことなんだ。もちろんお父さんが戦地へ行ったり、戦後のたいへんな時期に育ったというのはあるけど、高度経済成長を謳歌してきた世代でもある。とはいうものの、70代は悩みも多いんだ。歳を重ねたからって、達観するどころか、ますます悩み多き世代だよ。子や孫には気を遣い、親の介護をしなきゃならない。たいへんだよ。隠居なんてしてられない。まぁ、そんな気持ちも込めて、いろいろとしゃべってきたよ。西荻姉妹、もとい、阿佐ヶ谷姉妹にも世話になった。ありがとうな! そうそう、文化放送で、久しぶりに甲斐彩加に会ったぞ。誰かって? オレの『ミュージックプレゼント』で、まだジジイババアを佃煮みてえに集めることができたコロナ以前に、アシスタントを務めてくれていた子だ。その後、愛媛・松山の南海放送にいたんだけど、今、文化放送でアナウンサーをやってるんだ。こういう再会は嬉しいよね。ますますがんばってくれよ!!

 さて、7月15日の『マムちゃんねる』は、俳優・佐野史郎さんの2回目だ。史郎ちゃん、急性腎障害で入院してたけど、元気になったみたいだな。よかったよ! 今後のますますのご活躍をお祈りしますよ!
 



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(構成・伊波達也)

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