マムシ流 つれづれ草 第47回

【「3つのかける」、「3つのK」を忘れずに人生を有意義に!】

 老若男女諸君! ここ数日、急に寒くなってきたな。先週までまだ夏日なんていう日があったのに、着実に季節は冬支度だ。もっとも暦の上では二十四節気の立冬だもんな。七十二候では、地始凍(ちはじめてこおる)だよ。霜が降りたなんて便りもニュースになっている。季節は暦どおりというわけだが、秋が短すぎるよな。こんな時ばかり帳尻を合わせなくたっていいじゃねぇか。とにかく、急な季節の移ろいだから、体に気をつけろよ。

 前回も触れたけど、オレが客員教授を務める、聖徳大学の講義もスタートして、先日は2回目の講義だった。初回はだいたい自己紹介を兼ねていろんな話をするんだけど、できるだけ戦争体験を話していくようにしている。学生諸君のレポートの反応も、直接の体験談を聞いてショックだったというのが多かったな。もちろん、戦争というのはこの世界から消さなきゃいけないという気持ちで、若者に話すわけだが、同時に、介護職につく学生諸君は、そういう世代の人とも触れ合う可能性が大いにあるということを知ってもらいたいからなんだ。だから、戦争に限らず、昭和という時代について、できるだけいろいろと話そうと思ってるよ。
 この日は、介護の話の基本を話した。オレは別に、介護についてのプロでも学者でも研究者でもないけど、長いラジオ中継の現場で、さまざまな年寄りと付き合ってきたことで、活きた年寄りたちの事情を知って、それでNHKの介護の番組や聖徳大学での講義にもつながったわけだ。だから、講義でもできるだけ身の丈の話として介護を語っていきたいんだ。
 いつも話すのが、「3つのかける」と「3つのK」についてだ。
 「3つのかける」というのは、お年寄りと話すコツとして、「笑顔で話しかける」「肩に手をかける」「気にかける」が大切だということだ。
 そして、「3つのK」は、介護には「経験」「コツ」「心」が大切であるということ。
 これはオレの経験から生まれた極意で、介護職を目指す諸君に話し続けてきた。これが講義を始めた頃は、100人近くいた介護職を目指す学生は、年々減り続けて、今、オレの講義を受ける80人くらいの女子学生諸君は、児童福祉だったり、文学だったり、音楽だったり、いろんなことを専攻していて、介護を目指す諸君は10人足らずなんだよ。
 だけど、それでオレは、はたと気づいたんだ。介護の極意というのは人生の極意でもあるという点だよ。
 笑顔を大切にして、いつも相手の立場になって考えて理解し、気にかけてあげるなんていうのは、まさにコミュニケーションの極意だし、人とうまくやっていくための基本だよね。そして経験やコツというのは、どんな仕事にだって通じる大事なことだし、心なんてまさに人生を楽しく過ごしていくために一番大切なことだよ。
 心がなけりゃなんでもうまくいかないよ。心のこもってない行動というのはすぐわかる。
 そして、心をこめるというのは、自分が安寧のなかにいないとなかなか難しいんだ。
 だからね、これからの世の中を生きていく諸君には、「3つのかける」と「3つのK」を大切にして欲しいな。

 そうそう、先日の11月11日は介護の日なんだぞ。知ってたか?
 平成20年に厚生労働省が、「国民に介護の啓発を実施するための日」として決めたんだ。
 11月11日というのは「いい日、いい日 毎日あったか介護ありがとう」というキャッチフレーズに由来する。
 介護というのは、介護職という仕事についていなくても重要だろ。皆さんの身の回りでも、いつ親の介護をしなければならない状況になるかわからないし、将来は自分だって介護される身になるかもしれないんだよ。だからさ、この世に生きる一人ひとりが、もっと介護について関心を持って、真剣に考えて、理解するべきなんじゃねぇかな。
 オレは介護について語ることが、自分のライフワークの一つだから、これからも老若男女を問わず、呼ばれりゃ、どこでも行って、ジジイババアを元気づけ、若者を激励するからな。おっと、また素晴らしいことを言っちまったな、ハハハ。

 11月15日の『マムちゃんねる』は、ダブレット純の第2回目だ! 昭和の誰も知らないようなネタで、また盛り上がるから、楽しみにしていてくれ。そうだ。純も介護の仕事をしていたんだよな。
 この前は、徳光和夫さんの土曜日の朝のラジオ番組『徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー』(ニッポン放送)にゲストで出てたらしいな。それから、加藤登紀子さんの『加藤登紀子ほろ酔いコンサート2023』に、タブレット純はゲストで出るらしいじゃねぇか。いろんなところで活躍してるよな。これからも体に気をつけてがんばれよ!
 11月13日はオレの親友・立川談志の十三回忌の法要に出席したよ。命日は21日だけどな。まぁ、そのことについては、またの機会に話すよ。しかし、もう12年経っちまったんだな〜。


 

(構成・伊波達也)

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