マムシ流 つれづれ草 第58回

【自分に合った「生き方ポリシー」を持って元気に!】

 老若男女諸君! ゴールデンウィークを謳歌してるかい。
 5月1日はゴールデンウィークの合間の平日だけど、10連休という人もけっこういるらしいな。俺たち芸能界の人間は、連休なんていうのはトント縁がないけどな。
 まぁ、いろんなことで、有意義な休日を過ごしてくれよ。

 オレは4月後半も有意義な時間を過ごしたぜ。
 とても印象深いのは、TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』のゲストとしてコシノジュンコさんと話ができたことだよ。そのジュンコさんが、当日のオレの衣装を褒めてくれたんだ。それはさ、『マムちゃん寄席』の時に着て出た、あのひらさわ呉服店のオヤジが作ってくれたマムシ色の和洋折衷の衣装だよ、ハハハ。
 それを、“世界のコシノジュンコ”が褒めてくれたんだぜ。平澤のオヤジは奇しくも『マムちゃん寄席』の日の朝に亡くなったが、これを聞いて、冥土で喜んでくれてるよ。
 オレがなんでジュンコさんの番組に出たかというと、今年の節分の時の出会いなんだ。
それまでジュンコさんとは、付き合いはなかったけど、実は、NHKの連続テレビ小説『カーネーション』でも有名になった、お母さまの小篠綾子さんとは30年前に、横浜と大阪のトークショーでご一緒したことがあったんだよ。その時いただいた綾子さんの本も、スタジオに持参して、お母さんの話、小篠家のいろんな話になったんで、ジュンコさんもとても喜んでくれたよ。綾子さんは、なんてったって、文字通り“コシノ3姉妹”の生みの親だからな。
 その綾子さんがよく言ってたのが、「年寄りは甘やかすな」だったんだよ、ハハハ。
「元気ですか?」と聞かれるのをとにかく嫌がってたってよ。「元気やから、こうして仕事してるんや」だとよ。まさに、その言葉にはオレも共感至極だよ。
 それから、「いつでも今から、人生今からや」だとさ。これは同じことを、113歳で亡くなった、オレの尊敬する後藤はつのさんも言ってたんだよ。
 良い歳の重ね方をするためには、自分が与えられたフィールドの中で精一杯に生きることが大切だよな。そしてそれを全うして、いい仕事をしている人は、皆、元気だよ。
 そうそう、4月の終わり『ミュージックプレゼント』で行った、青山骨董通りのハンコ屋のオヤジ・佐伯昌英さんも86歳でがんばってたし、西荻窪の須田時計店のオヤジ・須田喜八郎さんなんて97歳でまだ現役だぜ。すげえよな。
 みんなそれぞれの「生き方ポリシー」をしっかり持ってるよ。ジュンコさんと、綾子さんのことを話していたら、そんなことを強く感じだな。
 佐伯さんのハンコ屋に行った『ミュージックプレゼント』の時には、オレの不用意な発言で、傷ついた人たちがいたようだ。反省しきり。申し訳なかったです。お詫び申し上げます。まさに人それぞれ多様性の時代だ。自分たちの「生き方ポリシー」にしたがって生きていくことは大切だし、尊重しなくちゃダメだな。
 『コシノジュンコ MASACA』では、他にもウルトラマンの造形美の話、ファッションの話・・・興味深い話が満載だからさ、ぜひ聴いてくれよ。毎週日曜日の午後5時から、TBSラジオでやってるからな。オレがゲストで出るのは5月12日と5月19日だぞ。楽しみに待ってくれよ。

 さて、5月1日からの『マムちゃんねる』は、井上順ちゃんだ。始まりは六本木野獣会、そしてザ・スパイダースのメンバーを経て、司会に俳優にと八面六臂の活躍で、華やかな芸能界の中心で生きてきた。今年で喜寿という順ちゃんだけど、相変わらずかっこいいぞ。ジョージ・クルーニーかリチャード・ギアかってなもんよ。渋谷で生まれ育った順ちゃんがいろんな話を展開してくれるぞ。オレと共演したのはラジオのマイク越しくらいなもんなんだけど、オレのことを気にしてくれていて、歳を重ねる見本にしたいなんて言ってくれやがったよ。まぁ、とにかくテンポよく面白い対談になってるから楽しみに見てくれ!


 

  

 

(構成・伊波達也)

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