マムシ流 つれづれ草 第65回

【昭和の総決算に向け、日本の進むべき道を考えよ】

 老若男女諸君! お盆休み、元気に過ごしているかい? 仕事で忙しいという人はもちろんいるだろうが、故郷へ帰って懐かしい人々と旧交を温めている人も多いだろう。
 不穏な地震と不順な天候は心配だが、まぁ、楽しい時間を満喫してくれよな。

 8月と言えば、毎年言うように、「8月は、6日、9日、15日」と五七五で表現できる。6日は広島に、9日は長崎に、原爆が投下された日。そして15日は終戦記念日だ。敗戦記念日と言いたいけどね。罪のない人々が310万人も殺されたんだからな。
 オレは毎年、必ずこのことを話題にするけど、話題にする人がどんどん減っていくのはまぎれもない事実だよ。今年はあの日から79年だからな。終戦の年に生まれた人が、来年は傘寿だもんな。
 そして、来年の令和7年は、昭和100年なんだよ。終戦は昭和20年だから、昭和が始まった日から数えると、日本はその8割、平和な日々を維持し続けてきたことになる。
 これは、世界中でも稀な素晴らしいことだよ。今年はパリ五輪があり、世界中はお祭りに沸いていたが、その一方で、ウクライナやガザをはじめ、世界の随所で戦争、紛争が続いているよ。日本が平和だった79年の間に、世界ではあらゆる戦争、紛争で罪のない人々が悲惨な目に遭ってきたわけだからな。
 先日の広島、長崎の原爆の日では、イスラエルを招待したり、しなかったりということについて議論になっていたが、このニュースが世界で報道されることは、核保有の問題、世界の国々の対立問題、戦争の問題について改めて一石を投じ、世界に強く訴えかけたと思う。唯一の被爆国である日本こそが、節目の昭和100年に向けて、平和の素晴らしさを世界に発信していくことを真剣に考えた方がいいと思う。ところが、今の日本はどうもイケねぇな。なんだか、どんどん変な方向へいっちまってる気がしないかい?
 平和を守っていけるかどうかという点もそうだが、地震や台風など災害から我が国を守っていくという点についてもだな。先日の宮崎が震源になった地震もそうだが、南海トラフ地震は心配だよな。全国どこでも起こる可能性のある激甚災害に対して、政府は国家規模できちんと抜本的に考えて、覚悟を持って国民を守らないといけないんじゃねぇのか。
 オレがいつも話す介護の問題もだよ。介護される当事者である年寄りのことはもちろんだが、介護する側の問題だよ。2040年には介護職に従事する人が20万人から30万人は足らなくなると言われているぜ。今もうすでに足りなくなっているだろ。学校に通っている子どもや若者が介護に当たらなきゃならないヤングケアラー問題、働き盛りの人々が介護に当たらなきゃならないワーキングケアラー問題、そして、老人が老人を介護するという老老介護問題や介護離職も深刻だ。もはや介護問題は、年寄りだけの問題じゃなくて全世代の問題なんだよ。この問題こそ、国が真剣に考えて対処していかないと国は滅びるぜ。
 まだまだ他にも、“昭和一世紀"という総決算の時期において、政治、経済、社会システム、インフラ・・・、いろんなところに歪みが出てきているとも言える。目先のことや自分たちのことばかりじゃなくて、次の100年を見据えて、国家を考えるべきなんじゃねぇのかな。
 そして、日本人である老若男女諸君も、我が国の将来について、そして、次なる世代へ何を残すべきなのかをきちんと考える時間を持とうぜ。来年の今日、昭和100年(2025年)の8月15日に向けて、1年間、みんなで日本の進むべき道について考えようじゃないか。

 さて、8月後半の『マムちゃんねる』も、吉田照美ちゃんだぞ! 現在73歳、押しも押されもせぬ、喋りの世界の重鎮とも言えるが、オレに言わせりゃ、まだまだ若造よ、ハハハ。また、いろんな話をして盛り上がっているから、ぜひ、見てくれ! じゃあ、またな。


(構成・伊波達也)

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