マムシ流 つれづれ草 第66回

【嫌なニュースは、心根の良い人々との出会いで、スカッと忘れよ】

 老若男女諸君! 2024年、令和7年も3分の2が過ぎたな。二十四節気では『処暑』だ。
 しかし、暑さはまだまだ続きそうだし、台風をはじめとする災害にも気をつけないといけないな。9月1日といえば、101年前、関東大震災に見舞われた日だ。死者・行方不明者は10万5000人という激甚災害だよ。だから、9月1日は防災の日なんだ。まぁ、あんまり気にし過ぎても仕方ないが、防災意識を頭の片隅に置いておくことは大切だな。

 8月後半は、8月の『マムちゃんねる』に出てくれた吉田照美ちゃんの総本山である文化放送に出かけ、『てるのりのワルノリ』(土曜日11時〜13時)という番組にゲストで出たよ。吉田照美が、お笑いコンビ『オテンキ』の、のりという奴とやってる番組で、なんと、そのアシスタントが、『ミュージックプレゼント』でオレのことをあれこれ面倒見てくれて、今は文化放送のアナウンサーになった甲斐彩加なんだよ。この日は奇しくも彼女の誕生日だったんだ。今年の3月には結婚もして、順風満帆だな。オレは甲斐のことを、“貝"だから、シェルと呼んでいたんだけど、シェルが成長した姿を見るのは嬉しかったな。55年も番組をやっていると、次々と巣立って行った連中を見守ってきたけど、こんな時には、教え子を送り出した教師の気持ちになるな。
 まぁ、オレは、大学で客員教授なんてぇのも仰せつかっているので、そっちの教え子もいるんだけどね。若い連中がどんどん活躍してくれるのは嬉しいもんだよ。
 番組は、“ワルノリ"ってくらいだから、いろいろと悪ノリさせてもらったぜ。照美は、オレのことを、共演者やファンの心を次々に奪う、“心の窃盗犯"とか言いやがったよ、ハハハ。

 8月23日の毎日新聞夕刊紙上の『どう見る 岸田首相退陣』という特集ワイドでは、田原総一朗さんらとともに、オレも登場したぞ。今、まさに、岸田首相退陣を受けて、自民党の総裁選が始まるところだが、こんなの茶番だよ。国民のことではなく自分たちのことばかり考えた内向きな選挙戦だな。オレら国民は全く手出しできない選挙だしな。それにしても自民党は腐り切ってると思わねぇか。オレは「自民党 裏金コースで おもてなし」という川柳をひねったけど、裏金問題をはじめ、さまざまな問題の解決はそっちのけだろ。ポーズだけじゃない、本当の改革に蛮勇を奮って、国民のための政治をおこなってくれる首相は出てこないもんかね。
 昔、政治家は"井戸塀"と言って、国民のために尽くして、自分のためには井戸と塀しか残らないと言われたけど、そんなのは死語もいいとこだな。

 そんな憂さを晴らせる痛快さを『ミュージックプレゼント』で出かけた、目黒区・学芸大学駅近くの中華料理屋『上海菜館』で味わったよ。昭和34年創業の店だ。おカミさんは、オレより一つ上、昭和10年生まれ89歳の真田茂子さん。神奈川の伊勢原生まれで、中学を出て恵比寿の中華料理屋で働き、別の中華料理屋で働いていた旦那さんと知り合って結ばれた。このババアがチャーミングなんだ。ご主人は58歳で他界。それからせがれの照久さん、孝子さん夫婦とともに、お店を切り盛りして、立派な店に育て、今も元気に働いている。照久さんも威勢のいい、人懐っこい奴で、彼の作る絶品餃子は、都の組合のコンクールで金賞を受賞したそうだ。実に美味かったよ。バイトのマリアちゃんという女の子もいい子でな。素敵な店だ。
 茂子さんは、今でも亡くなった旦那のことを想っているんだ。新婚初夜のことを聞いたら、照れながらも嬉しそうに喋りやがった。図々しいババアだ、ハハハ。
 こういう親子でやっている店は、いつも本当に素晴らしいしと思うし、こういう出会いは幸福感が増すな。スカッとするよ。いつまでも仲良くがんばってくれ!
 そうそう、この日は、番組の冒頭で、スタジオにゲストで来ていた、北山修さんと久しぶりに話ができた。今や白鴎大学の学長だぜ。しばし、永さんバナシで盛り上がって楽しかったよ。

 さて、9月の『マムちゃんねる』は、さこみちよが登場だ! オレとは因縁浅からぬ、みちよだ。長いこと大沢悠里ちゃんの女房役だし、オレの盟友、立川談志の古い弟子・立川ぜん馬の実の女房だし、まぁ、いろいろとつながってるな。いろんなステージでも共演しているしな。でも、みちよとサシで向かい合って、じっくり喋ったことなんてなかった気がするな。あいつはいつもサバサバとしていて元気だけど、実のお母さんの介護や、がんで闘病中のぜん馬の看病など、いろいろとたいへんなんだ。ぜひ応援したいよ。まぁ、相変わらずの減らず口だから、大丈夫だと思うけどな、ハハハ。じゃあ、見てくれよ!


 

 

(構成・伊波達也)

〜一覧へ戻る〜