マムシ流 つれづれ草 第68回

【“3つのベル”を大切に、人生を謳歌せよ】

 ジジイババア諸君! 10月だな。「暑さ寒さも彼岸まで」とやらで、だいぶ過ごしやすい気候になりつつあるが、まだ油断はならねぇな。それにしても、日本の四季というのはどうなっちゃんだろうね。今年も秋は確実に短いはずだ。人も自然も本来の日本の良さが失われていくようで寂しいよな。
 嬉しいニュースといえば、大谷翔平だ。50、50を見事達成した。55、55と首位打者と三冠王は逃したが、すげぇ。漫画、アニメ、映画のヒーローだって、こんなシナリオ書いたら、ボツになるようなとてつもない偉業をさらりと達成したんだから、たいしたもんだよ。そしてロサンゼルス・ドジャース、ナショナルリーグ西地区優勝おめでとうございます! 引き続き、素晴らしいプレイを見せて欲しいね。被災地にも元気を与えて欲しいな。能登半島の被災地は本当にたいへんだよ。石破新総裁、新総理(?)、まずはその復旧復興を優先順位一番にして欲しいな。能登といえば、角界でも石川県津幡市出身の大の里が気を吐いて優勝。新大関になったな。早く御髪を長くして大銀杏を結ってくれ。そうそう、大の里は、いっそのこと大谷の活躍にあやかって大の谷に四股名を変えたらどうだ、ハハハ。
 
 さて、9月の『ミュージックプレゼント』は、オレが幾度となく話題にしている、東京・杉並区・西荻窪の『須田時計メガネ店』にお邪魔した。最近のMPは、オレの同世代や先輩方が元気でやっている現場に出かけているが、ここのオヤジ、須田喜八郎さんはその最右翼だな。大正15年生まれ。11月で98歳になるという方だよ。滑舌はいいし、元気に動き回るし、時計はまだ自分で修理できるし、スゲエんだよ。毎週日曜日には今でも高尾山に登るんだぜ。オレなんて、はぶ三太郎のいる『まむしプロダクション』の急な階段をようやく登るのが関の山だというのにな、ハハハ。
 奥さんの峰子さんはオレと同級生の88歳。若々しくて可愛くて、今でもシャンソンなんか歌うんだぜ。現在は、まもなく70歳になる長男の徳則さんとお店を切り盛りして立派にやってるんだよ。
 今は性能のいい時計がどんどん廉価になっているが、時計というのは立派な文化だからね。修理しながら大事に使って、代々受け継がれるなんていうのがいいんだよ。
 喜八郎さんの店は、サロンのようになっていて、70代、80代のジジイババアが喜八郎さんを慕って遊びに来るんだよ。この日も来てたな。
 喜八郎さんの元気の秘訣を聞いて、オレは、その場でひらめいた。
 人生は“3つのベル”を大切にして、謳歌することが大切だとな。
 3つのベルとは、「食ベル しゃベル 調ベル」だ。
 喜八郎さんは三食きちんとバランスよく自然の恵みを食べてるようだな。
 そして、よくしゃべるんだよ。オレとはもちろん、訪れた人、スタッフなんかとも実に気さくによくしゃべるんだ。
 さらに調べるだ。わからないことはすぐ調べて、自分の血肉にするんだ。認知症予防にもなるしな。最近では「学習学」と言葉が流行っている。人生100年時代に楽しく過ごすには、生をまっとうするまで学び続ける生きかたをするべきだということだ。学びというのは自分のためだからね。長いこと生きてたって、まだまだ知らないことはいっぱいあるよ。そこに対する好奇心を切らさないというのも元気の秘訣なんだな。喜八郎さんは本屋へもよく行くし、神田の古本市にも行くらしいよ。古本市は神保町だけど、神田には須田町ってぇのもあるしな、ハハハ。そして、あのオヤジ、“3つのベル”以外にもいろいろとベルを鳴らしてるんじゃねぇのか。時計屋だけに、ハハハ。
 相田みつをさんが「時は金なりなんていうけれどね。時は命だよ」と言ってるとおり、時計屋さんというのは命を刻む時計を扱う尊い仕事だとオレは思うよ。そして、喜八郎さんの体の中にも元気で生きるための体内時計が仕込まれてるのかもしれねぇな。これからも元気でいてください。また、会いましょう! 時計の修理もよろしく、ハハハ。

 10月の『マムちゃんねる』は俳優・タレントの村野武範さんだ。70年代の学園ものの青春スターで、今日まで数々の名作でいい役柄を演じてきたし、バラエティ番組にも欠かせない人だ。武範とは大沢悠里ちゃんの番組に出ていた頃や、彼がパーソナリティをやっていた『村野武範のいきなりラジオ』(TBSラジオ)という番組で中継現場からよく絡んだんだ。軽妙洒脱な語り口もテンポがよくて、オレとは気が合うというわけだ。武範の79年の人生、そして、2015年に患った中咽頭がんのことなど、いろんな話をするぞ。見てくれよ!!


 

(構成・伊波達也)

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