マムシ流 つれづれ草 第75回
【別れや旅立ちは、プラスに考えて、明るい未来へ進め!】
老若男女諸君! 松が開けて、成人式も終わったな。2025年のスタート、元気で過ごしているかい? 今年、成人した諸君! 激動の世の中だが、どうかイキイキと素直に成長してくれよ。そういえば、成人は18歳からと法律で改められたが、成人式は“二十歳の集い”として、二十歳を迎えた諸君が集う祝いの式典が多いようだな。そりゃそうだろ。18歳じゃ、まだ受験生だったりするし、落ち着いて成人を楽しむという余裕はないよ。18歳成人は、選挙人口の増加とかさまざまな思惑で制定されたようだが、定着するのかね。日野原重明先生もおっしゃっていたが「青年は突っ走って、一本気でも良い。でも年をとったら素直で柔軟でみずみずしくあれ」と。年寄りになったら物事にこだわったり、頑固ではダメだぞ。覚えておけよ。まぁ、いずれにしても、成人になった若者諸君、おめでとうございます!
オレは、正月明けは、のんびりと自分の時間を楽しんでるよ。やることがいっぱいあるしな。見たい映画や番組がいろいろあるんだよ。若者諸君は、学校だったり、仕事だったりで忙しいだろうが、自分の時間を楽しむ余裕を持ってくれ!
そうそう、去年の暮れと先日1月11日に、BS NHKとNHK総合テレビで『みんな あなたが好きだった プレーバック 長嶋茂雄の世紀』という番組が放送された。オレも出演者の一人として協力したんだけど、いい番組だぞ。見てくれたかい。
昨年は、長嶋さんが巨人軍の選手として引退してから50年だったんだよ。長嶋さんと言えば、野球選手としてのヒーローのみならず、昭和を代表する大ヒーローだよな。
今年は戦後80年にあたる年だが、戦後の焼け野原から復興を果たした日本が、元気で右肩上がりの世の中になっていったのと機を一つにして登場してきたヒーローが長嶋さんだ。国民は未来への希望とともに、長嶋さんのプレーに励まされて、額に汗して働いたんだよな。オレは巨人軍の番組を担当するなど、巨人軍、長嶋さんとは因縁浅からぬ関係だったからね。しかも、長嶋さんは、オレと同い年、昭和11年早生まれの子年だからな。よく「マムシさんはドブネズミ、ボクはハツカネズミ」なんて言いやがってな、ハハハ。
同じ時代を生きてきて、長嶋さんの活躍もつぶさに見てきたオレとして、番組ではいろいろと証言させてもらったぜ。その中で、印象深く話したのは、昭和49年10月14日の長嶋さん引退当日の話だよ。オレは当時TBSの『3時にあいましょう』という番組をやっていて、番組終了後に後楽園球場へ飛んで行ったんだよ。そして、長嶋さんがグラウンドの真ん中に立っている姿に間に合った。観客席の5万人がシーンとしてマイクの前の長嶋さんを見守っていた。そして長嶋さんが引退の弁を述べた後には、観客席は騒然となり、観客は金網に殺到した。口々に「やめないでくれ」「まだできるぞ」と涙を流す人も多く、みんな狂乱状態だったよ。
でも、その時、オレは涙が出なかった。17年間、感動と喜びを与えてくれた長嶋さんのことを振り返り、拍手しかないと思ったね。3〜4日手が痛かったくらい拍手をした。
長嶋さんに涙は似合わない。本人は子どものようにグシャグシャに泣いてたけどな。
オレはこれが長嶋さんの新たな始まりだとも思った。これだけ世の中に夢と希望を与えてくれた彼だったら、あの天衣無縫さで、また、人々を楽しませることをやってくれるだろうとな。だから、引退は新たな旅立ちだと思ったな。
若者諸君にも言いたい。成人を機に、未成年からは引退だ。新たな環境へ旅立つために、いろんな別れもあるだろう。でもそれは決して悲しいことではないよね。大人というのは、自分の責任において、自分をいろいろと試せる新しい段階に入ったんだと考えようぜ。
ぜひプラスにポジティブに生きて世の中で活躍してくれ。がんばれよ!
そして、長嶋さん、オレたちもまだまだがんばりましょう!!
さて、新年最初の『マムちゃんねる』ジュディ・オングさんの2回目は1月15日からだぞ。ジュディの話は多岐にわたっていて、本当に興味深いからな。アジアの、そして世界の平和を願いつつ、ぜひ心して見てくれよ!
【まむちゃん所蔵!】
(構成・伊波達也)