マムシ流 つれづれ草 第116回
【「人を継ぐ」という心持ちを大切に、人生を謳歌し続けよ!>
老若男女諸君! 10月だぜ。今年も残りあと3ヶ月だな。二十四節気では秋分。しかもこの時期は、七十二侯だと「蟄虫坏戸(ちっちゅうとをとざす)」と言って、虫が冬ごもりを始め、いわゆる春の「啓蟄(けいちつ)」まで土の中に入るというわけだ。もうそんな時期なんだな。それにしても雨ばかりの梅雨のような天候が続くな。各所で崖崩れなど災害が起こっているし、「秋晴れ」というのがとんと見られねぇ。自然は、人間の思い通りにはいかないが、うまく共存して仲良く過ごしていきたいもんだな。
9月後半は、いろんなことがあったよ。 前回もお知らせしたとおり、シルバーウィークのど真ん中、21日の敬老の日に『TBSラジオ開局75周年プレミアムデー』という企画で、大沢悠里ちゃんの『ゆうゆうワイド』と荒川強啓ちゃんの『デイキャッチ』が1日だけ復活した。オレはこの日、昔と同じ10時台に『ミュージックプレゼント』をやったよ。
TBSのお膝元、赤坂一ツ木通りにある『お茶の土橋園』にお邪魔したぞ。創業は明治25年。134年の歴史を持つ老舗だな。初代・土橋鉄五郎さんが、修行した土橋園から名前をもらったという。関東大震災や空襲で焼失したそうだが見事に続いている名店だ。今は会長の土橋武雄さん(83)と社長・土橋寛太さん(53)を中心に、社員25人が力を合わせてお店を切り盛りしている。
会長の武雄さんは、母校・立教大学の馬術部で36年間監督を務めたそうだ。蹴飛ばしそうな顔してるよ、ハハハ。この日は奥様のようこさん、娘夫婦とお孫さん、そして地元の商店街のオヤジ連中での井戸端会議になったな。2・26事件の時は、茶箱を土嚢代わりに店の前に詰んだとか、都電で学校に通ったはなし、地元の人、店など懐かしい赤坂の話に花が咲いた。まぁ、オレが一番博学でいろいろ詳しいんだけどね、ハハハ。
悠里ちゃんとの掛け合いも久しぶりで嬉しかったよ。お互いに元気でよかったな。中継の後は、『ゆうゆうワイド』のエンディングでスタジオにお邪魔した。この日のパートナー西村知江子ちゃん、そして、パートナだった、さこみちよ、見城美枝子、陣内貴美子、佐田玲子の4人も応援に駆けつけてくれて、悠里ちゃん、嬉しそうだったな。楽屋では荒川強啓ちゃんをはじめ、懐かしい面々にも会えたしな。楽しかったよ。
そして、この週はいつも通り最終金曜日に『ミュージックプレゼント』で、本郷の『オザワ洋菓子店』にお邪魔した。この店、なんとオレが54年前にもお邪魔してたんだよ。その当時、今、2代目で、店を切り盛りする武志さん(61)は小学生だった。オレが「たけし君へ」と、ウルトラマンの絵を描いてあげた色紙を今でも大切に持っていてくれたよ。
お母さん・和子さんはオレと同い年の90歳。昭和11年4月生まれだ。でも、小綺麗にしていて、イキイキと滑舌良くしゃべるいい女なんだよ。こういう同い年のババアに出会えると嬉しいよ。武志さん、お嫁さんの利得さんとともに今もお店に出ていて、ご近所の人気者なんだ。先代は4年前に88歳で他界したんだが、これからも3人で仲良くお店を切り盛りしてください。そうそう、名物の「イチゴシャンデ」も美味かったな。ごちそうさま!
9月の最終日曜日は『たま寄席』にお邪魔した。前回告知した、一玄亭米多朗がプロデュースする寄席だ。彼は、地元のためにいろんなイベントを仕掛けて活躍しているんだよ。
だから「オレが出られる時は出てやるから遠慮なく言え」って言ったら真に受けやがって、ちょくちょく声が掛かるんだよ、ハハハ。
この日は立川志らくちゃんもゲストで高座に上がった。久しぶりに楽屋でいろいろ話ができて良かったよ。今は18人弟子がいて、彼らは談志からみれば孫弟子だろ。当然談志にあったことがない連中だよ。そんな若手と談志の話ができたのも楽しかったな。
本番のステージは、いつも通り、行き当たりばったりだ。その時思いついた話を上顎と下顎がぶつかるまんまに好き勝手に喋ってきた。でも、目の前のお客と面と向かって喋るのはやっぱり楽しいよ。
そうそう、それで思い出したんだが、「赤坂一ツ木通り」は、別名「人継ぎ通り」ともいうんだよ。そういう意味では、ラジオにしろ講演にしろ、オレの仕事は、ずっと人と人とをつないできたよな。今の時代、人と人とをつなぐことは大切だよ。ラジオというメディアはそれをしっかりやっていると今さらながらに思ったな。
そのラジオのおかげで今の自分があると言っていたのは倉本聰さん。先日亡くなったな。
オレより一つ先輩の91歳でのご逝去だ。また一人、“昭和の巨星落つ”といったところだな。倉本さんはキャリアの始まりがニッポン放送のディレクターだった。ラジオドラマも書いていたんだ。その後、映画やドラマの世界へ行って、言うまでもなく数々の名作を生み出してきた人だが、ラジオでのキャリアが自分にとっての貴重な経験だと事あるごとに話していたんだ。彼は「ラジオは映像のメディア」だと唱える。ラジオこそ聴取者の想像力を掻き立てて、自分の中にそれぞれの映像を作り出させるんだという考え方だったんだな。オレもそう思うね。ラジオはイマジネーションが広がるメディアだよ。だからそういう風に作らなきゃいけないんだよな。
倉本さんには、近年ではテレビ朝日のドラマ『やすらぎの郷』への出演で世話になった。残念でならないが、どうぞ安らかに。あっちでも楽しくご活躍ください。
さて、10月からの『マムちゃんねる』は、ちょっと趣向を凝らして、オレが一人語りでいろいろ喋ることになった。どんなネタが飛び出すことやら、楽しみにしていてくれ。
10月2日(金)にはBSテレ東の『武田鉄矢の昭和は輝いていた』にゲスト出演しているからな。ぜひ見てくれよ!
そして、週明け・10月5日には、いよいよ『第21回 マムちゃん寄席』だ。人気者目白押しの鉄板の布陣だ。さぁ、今回はどんなネタが飛び出すことやら。楽しみにしていてくれ! じゃあ、またな!





(構成・伊波達也)